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膵臓がん


早期発見が難しく治りにくいがんで(難治がん)の代表です。
膵臓は胃の後ろ、背骨の前側にあり、右側は十二指腸、左側は脾臓と接しています。膵臓を頭部、体部、尾部の3つに分け、がんの発生部位により頭部がん、体部がん、尾部がんと呼んでいます。膵臓では消化液やホルモンが作られていますが、消化液は膵管という細い管を通り十二指腸へ流れます。その膵管の上皮細胞ががん化したものが膵管がんで、膵臓がんの9割を占めます。ほかに、ホルモンをつくるランゲルハンス島の細胞から発生する内分泌がんもみられます。

膵臓がんは増加傾向にあり、年間2万~2万5千人が罹患しています。男性に多く、60~80歳代が発生のピークです。原因はまだ不明ですが、糖尿病患者、膵管内乳頭粘液性腫瘍の患者さんは膵癌に罹患しやすいというデータがあります。6~7割が膵頭部に、3~4割が体部または尾部に発生します。

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症状

腹痛、背部痛、体重減少、黄疸がしばしばみられますが、膵臓がん特有のものではありません。痛みは随伴する膵炎か周囲の臓器や神経への浸潤によるものです。黄疸は、しばしば膵頭部がんの初発症状です。がんが胃や十二指腸に浸潤すると、出血して吐血や下血が生じ、食物の通過障害をきたすことがあります。また、がんが胆管へ浸潤し胆汁の排泄が悪くなると黄疸になり、胆管炎により高熱がでたりします。

検査

血液検査と腹部エコー、CT、MRIなどの画像検査が必要です。診断は難しい場合があるので、専門家のセカンドオピニオンを利用してもよいでしょう。
検査名 検査内容
血液検査 血液中のアミラーゼや尿中アミラーゼ、腫瘍マーカーのCA19-9、Dupan2、CEAの値が上昇します。ただし、腫瘍マーカーは、小さながんの診断には役に立ちません。また、がんや膵炎によってインスリンの分泌細胞が壊されると、糖尿病になることがあります。血糖値が高くなり、また急に糖尿病のコントロールが不良になった場合は膵臓の検査を受けて下さい。
超音波検査 からだに害がなく、苦痛もありません。腫瘍の直径が1cm以上あれば画像に映しだされ、拡張した膵管や胆管が発見の手がかりになります。しかし、膵臓の深い部位はエコーではみえにくいため、病気が疑われる場合にはCTかMRIが必要です。
CT検査 X線を用いて体を輪切りにした断層映像が得られます。最近の機種は解像力がよく、小さな腫瘍も発見できます。造影剤にヨードを使うため、アレルギーのある人、喘息で治療している方、腎機能が悪い方は受けられません。
内視鏡的逆行性膵管胆管造影
(ERCP)
内視鏡を用いた検査で、膵管の中に造影剤を注入して膵管の撮影し、膵管の変化を観察して診断します。膵管がんの診断に有効で、膵液を採取してがん細胞の有無を調べ、鉗子で病巣部を採取(生検)して診断を確定することもできます。まれに、検査後に膵炎を合併することがあるため、専門施設で検査を受けることが望ましいのです。
超音波内視鏡検査 内視鏡スコープの先端に超音波装置が装着され、胃や十二指腸から膵臓を間近に観察するため、腫瘤の鑑別や小病変の診断ができます。エコーをみながら病巣部の生検をすることもでき、確定診断に有用です。
MRI(核磁気共鳴映像)検査 磁気を利用し、からだのいろいろな断面の映像がつくれます。CTに比べやや撮像に時間がかかりますが、放射線に被曝しないこと、簡単に膵管像を作成できる利点があります。
血管造影 膵臓とその周囲の血管を映しだす検査です。がんは大きくなると血管に浸潤するので、この検査で血管の変化を観察し、手術適応を決めます。

治療

外科切除が一番有効です。がんが膵頭部にあれば、膵頭十二指腸切除術(膵臓の半分、十二指腸、胆管、胆嚢、胃の半分を切除)、がんが膵体または膵尾部にあれば、膵体尾部切除術(膵臓の半分と脾臓)が行なわれます。
外科切除の適応がなければ、塩酸ゲムシタビン、TS-1、GEMとアブラキサンの併用、FORFIRINOXという5FU、イリノテカン、オキサリプラチンの3者併用療法で全身化学療法を行ないます。がんの縮小効果は1~3割程度ですが、併用療法は効果がある反面、副作用が強くでることが多く、年齢や全身状態に応じて使い分けています。ある程度の延命効果も証明されていますが、予後は厳しい病気です。放射線照射と抗がん剤を組み合わせて治療することもあります。
黄疸の治療には、内視鏡的に胆管ドレナージを行い、胆管の狭くなっている部位にステントを挿入します。癌性疼痛に対しては消炎鎮痛剤、オピオイドなどの薬物を使用し、緩和効果が得られます。放射線照射は骨転移などの痛みの緩和に有効ですが、免疫療法は今後に期待がもてる治療法です。