婦人科

女性の健康と生活の質の向上を総合的に支援します。

当科は、婦人科疾患全般にわたり診断・治療をおこなっています。主に手術療法が必要な患者さんが多く受診されております。セカンドオピニオンの受け入れおよび紹介も積極的に取り組んでいます。我々スタッフは患者さんが納得して安心して治療が受けられるよう十分なインフォームドコンセントを心がけております。

外来診療表


主な疾患と診療体制

悪性疾患(子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌)

根治的な手術から抗がん剤治療を、日本婦人科腫瘍学会ガイドラインに基づき標準治療を行っており、エビデンスに基づいた診療を提供するよう心がけております。放射線治療が必要な方は、順天堂大学、都立駒込病院などと連携して、治療を行っています。

良性疾患

子宮筋腫や子宮内膜症、良性卵巣腫瘍に対しては、内視鏡下手術(腹腔鏡下手術・子宮鏡手術)による低侵襲治療を積極的に施行しています。更年期以降の女性にしばしば認められる骨盤臓器脱・性器脱(子宮脱・子宮下垂・直腸脱・膀胱脱)に対しては経腟的な従来法、メッシュ法、腹腔鏡下仙骨膣固定術等、患者様ひとりひとりにあわせた手術を行っています。(詳細は以下参照)セカンドオピニオンの受け入れおよび紹介も積極的に取り組んでいます。我々スタッフは患者さんが納得して安心して治療が受けられるよう十分なインフォームドコンセントを心がけております。

当院では骨盤臓器脱に対する治療を積極的に行っています。

骨盤臓器脱とは
骨盤の中には膀胱・子宮・直腸があり、これらは筋肉や靭帯で支えられています。
分娩による損傷や加齢によって筋肉や靭帯が弱くなると支えられなくなって骨盤内の臓器が下がってきます。
膀胱が下がるのを膀胱瘤、子宮が下がるのを子宮脱、直腸が下がるのを直腸瘤と言います。
子宮を摘出した後に腟の断端が下がるのを腟断端脱または小腸瘤といいます。

<骨盤臓器脱の症状>
脱出していることによって股に何か挟まった感じの違和感や異物感
尿がでにくい、尿が近い、尿がもれるなど排尿に関する症状
ひどい場合には水腎症をおこしたり腎盂腎炎を起こしたりすることがあります。

<治療の適応>
骨盤臓器脱は
脱出の程度が大きくても本人の症状が辛くなければ特に治療は必要ありません。
辛い症状があり希望があれば治療を行います。
但し水腎症をおこしている場合や脱出していることで擦れて爛れている場合は積極的に治療を勧めます。

<骨盤臓器脱の治療>
1. 骨盤底筋体操(ケーゲル体操)
2. 生活指導;ダイエット、腹圧をかけない(重いものを持ったり便秘をしたりしない)
3. ペッサリー
4. 手術療法

●骨盤底筋体操
お尻の穴をキューッと引き締める体操をして骨盤底筋を鍛えます。
即効性はありませんが、程度が軽い場合は続けることで症状が良くなることが多いです。

●生活指導
日常的に重いものを持つ仕事をされていたり、腹圧をかける方に起こりやすいです。お腹に力をかけない生活を心がけること、また肥満は腹圧がかかり症状が悪くなります。少しダイエットをするだけで症状が良くなることがあります。

●ペッサリー
ドーナツ型のリングを腟内に入れて骨盤臓器を支えます。
堅い異物を柔らかい腟の中に入れるので擦れたりただれたりして出血することがあります。
定期的なチェックが必要です。ご自身でペッサリーの着脱をできればより快適に使用できます。

●手術療法
手術にはいくつか方法があります。
脱出の部位、年齢、性交渉の有無、子宮および付属器病変の有無、健康状態などによりそれぞれ術式は異なります。
診察と詳しい問診により、ひとりひとりに最も適した手術法を提示します。
主に行っている手術法を紹介します。

1. 子宮脱根治術(腟式単純子宮全摘術+前後腟壁形成+肛門挙筋縫合)
腟から子宮を摘出して、たるんだ腟壁を縫い縮めます。全身麻酔で行います。手術時間約2時間。入院期間は基本的に術後約7日間です。子宮が主に脱出している方に適していますが術後腟が狭くなることがあり、性交渉のある方は要相談です。
2.腟式メッシュ手術
人工素材であるポリプロピレンを使ったメッシュを用いて骨盤の弱くなった支持組織を再建する手術です。膀胱が主に脱出している方、また子宮摘出後の方に適しています。子宮を摘出しなくてもよい手術法で腟の広さも保たれます。2005年から日本で導入されている比較的新しい手術です。基本的に閉経前の方には行いません。麻酔法は全身麻酔で行います。手術時間約1-2時間。入院期間は基本的に術後約7日間です。
3. 腟閉鎖術
脱出している腟壁の前後を縫い合わせる手術法です。体への負担が最も少ない方法で合併症の多い高齢の方に適しています。麻酔法は全身麻酔。手術時間は約1時間です。入院期間は術後約3日間です。子宮は摘出しません。腟を閉鎖するので術後子宮癌の検診はできなくなります。
4. 腹腔鏡下仙骨腟固定術
腹腔鏡下にメッシュを使って骨盤臓器を引き上げます。子宮の上部を切断摘出する場合が多いです。卵巣腫瘍のある方、股関節が開かない方、性交渉のある方に適しています。麻酔法は全身麻酔。手術時間は約4時間です。入院期間は基本的に術後約6日間です。手術時間が長いので比較的若い方に適しています。

その他症例に応じて術式を選択します。
お悩みの方はまず婦人科外来でご相談ください。

診療実績

患者数

新入院患者数 556人
外来患者数 6,032人
うち初診患者数 742人

疾患別症例数

疾患名 平成27年度 平成28年度 平成29年度
卵巣腫瘍(良性) 84 51 47
子宮筋腫・子宮腺筋症 91 118 93
性器脱 18 4 9
過多月経 - 5 -
子宮内膜ポリープ 18 42 26
子宮内膜増殖症 - - 4
子宮体癌疑いなど 10 9 17
子宮頸部異形成 69 59 65
子宮頸部上皮内癌 2 11 2
子宮頸癌 5 3 3
子宮内膜異型増殖症 1 - -
子宮体癌 3 8 7
卵巣境界悪性腫瘍 2 1 -
卵巣癌 7 7 8
その他 7 - 18
合計 317 318 299

術式別手術件数

疾患名 術式 症例数
平成27年度 平成28年度 平成29年度
卵巣腫瘍(良性) 腹式卵巣嚢腫摘出術または付属器摘出術 14 12 15
腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術または付属器摘出術 70 39 32
子宮筋腫・子宮腺筋症 腹式単純子宮全摘出術 59 79 53
腹式子宮筋腫核出術 9 4 3
子宮鏡下子宮筋腫摘出術 15 25 16
腹腔鏡下子宮筋腫核出術 - 7 3
腹腔鏡下子宮全摘出術 8 3 18
性器脱 子宮脱根治術 7 3 7
膣閉鎖術 11 1 2
過多月経 子宮鏡下子宮内膜焼灼術 - 5 1
子宮内膜ポリープ 子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術 18 42 26
子宮体癌疑いなど 子宮内膜全面掻破術 10 9 17
子宮頸部レーザー蒸散術 - 33 -
子宮頸部異形成 子宮頸部レーザー焼灼術 26 - -
レーザー円錐切除術 36 24 22
腹式単純子宮全摘出術 1 1 3
腹腔鏡下子宮全摘出術 6 1 4
子宮頸部レーザー蒸散術 - 1 36
子宮頸部上皮内癌 レーザー円錐切除術 1 6 1
腹式単純子宮全摘出術 - 2 -
腹腔鏡下子宮全摘出術 1 2 1
子宮頸癌 レーザー円錐切除術 2 1 1
腹式広汎子宮全摘出術 1 - 1
腹式準広汎子宮全摘出術 - - 1
腹式単純子宮全摘出術 - 1 -
腹腔鏡下子宮全摘出術 - 1 -
子宮内膜異型増殖症 腹腔鏡下子宮全摘出術 1 - 3
子宮体癌 腹式単純子宮全摘出術  1 5 2
腹式単純子宮全摘出術 2 2 5
両側付属器摘出術
骨盤リンパ節郭清術
再発手術 - 1 -
卵巣境界悪性腫瘍 腹式付属器摘出術 - 1 -
卵巣癌 腹式単純子宮全摘出術 2 - 4
両側付属器摘出術
大網切除術
付属器摘出術 1 3 -
腹式単純子宮全摘出術 1 - 3
両側付属器摘出術
大網切除術
腹式単純子宮全摘出術 5 4 -
再発手術 - - 1
その他 7 72 18
合計 315 390 299

主なクリニカルパス

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外来診療表


スタッフ紹介

宮井 健太郎
(みやい けんたろう)
職名 医長
専門分野 婦人科腫瘍
資格 日本産婦人科学会専門医
婦人科腫瘍専門医
永井 富裕子
(ながい ふゆこ)
職名 医員
専門分野 婦人科一般 骨盤臓器脱手術 内視鏡手術
資格 日本産婦人科学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(産婦人科)
宮国 泰香
(みやくに やすか)
職名 医員
専門分野 産婦人科一般 女性医学
資格 日本産婦人科学会専門医
中原 万里子
(なかはら まりこ)
職名 公社医員
資格 日本産婦人科学会専門医
村田 佳菜子
(むらた かなこ)
職名 公社医員
資格 日本産婦人科学会専門医